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2017.6.8.

交通事故の過失割合

交通事故に遭った方から「あちらが70で、こちらが30だった」という話を耳にしたことはありませんか。
これがいわゆる「過失割合」といわれるものです。

事故により発生した損害については、必ずしも相手方(保険会社)に100%の賠償をしてもらえるわけではありません。たとえ事故直後の加害者において、「すいません、私のミスなので100%お支払します。」との言動があったとしても、実際には、相手方(加害者)の過失割合に相当する部分についてしか、その保険会社には賠償してもらえません。

ここでは過失割合の概要と、計算方法、折り合いがつかなかった時の対応策についてご紹介します。

過失割合はどのようにして決まるのか

交通事故で、「加害者・被害者の双方に過失があること」は珍しいことではありません。被害者側に一定の過失があれば、損害額にその割合を乗じることにより、損害賠償金が減額されます。過失割合を決めるにあたっては、裁判例の集積をもとに作成された“過失割合の基準”があり、それを参考にすることになります。

例えば、信号のない交差点で自動車同士の衝突事故が起こったとします。左方車・右方車がそれぞれ通行していた道路の幅は、一見したところ、同じようなものでした。

左方車(Ⓐ)・右方車(Ⓑ)ともに同程度の速度で交差点に進入して衝突した場合、その過失割合は、Ⓐ:Ⓑ=40:60となります。なぜなら、左方優先(道路交通法36条1項1号)の原則が働くからです。

そして、Ⓐの車の修理費用が100万円だった場合、Ⓐとしては、Ⓑの過失割合分に相当する60万円はⒷの保険会社から賠償してもらうことができますが、Ⓐ自身の過失割合分に相当する40万円については、Ⓐが自己負担することになります。

さらに言えば、Ⓑの修理費用も100万円だった場合、そのうち40万円はⒶの負担になりますから、もし対当額で相殺すると、結局Ⓐが受け取ることのできる金額は20万円になります。

なお、道路の幅が一見して一方が他方よりも広い場合や、交差点に進入する前に減速していたか否か等の事情により、上記過失割合は異なってきますのでご留意下さい。

過失割合で相手と折り合いが合わない場合

過失割合を検討する上では、その前提として、「どのような事故状況であったか」という事実が確定されなければなりません。

しかし、交通事故のうちの相当数においては、自分と相手方とで、事故状況の認識(走行速度・一旦停止の有無など)にズレがあります。双方の言い分が異なるとき、警察官によって作成される「実況見分調書」が重要な証拠になります。実況見分調書の作成においては、自分が不利にならないよう十分に注意して、場合によっては事前に弁護士に相談しておくなどして、できれば事前準備をして臨む方が良いと思います。

上記のように事故状況に争いがある場合には、過失割合において話し合いでの解決は困難となることが多いと思います。

また、仮に事故状況について争いがない場合であっても、過去の裁判例の集積により作成された“過失割合の基準”が直接妥当しないような事故類型であるとき、なかなか相手方と過失割合での折り合いを付けることができないかもしれません。

そのような場合には一度、弁護士に相談して、“見込まれる過失割合はいくらなのか”を予め分かっておくことが有用だと思います。

まとめ

交通事故の具体的な金額の交渉を進める前に、“過失割合の基準”を参考にして、自分の交通事故ではどの程度の過失割合になるか、ある程度把握しておくことをおすすめします。

過失割合は、物損だけに限らず、事故による賠償全体に関して、もちろんケガの賠償金についても関わってくることなので、特に交通事故の被害者にとっては重大な関心事です。

そして、保険会社と示談交渉の際には、一定程度の知識・専門性が求められます。
もちろん、ご自身で勉強して得た知識等をもとにして、保険会社との間で過失割合の交渉を進めることもできるでしょう。しかし、多くの場合、専門家である弁護士に任せて、過失割合が自分に不利にならないように進めてもらう方が無難だと思います。

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