田中・大村法律事務所

電話番号:079-284-0505

ブログblog

2016.10.1.

【離婚相談解決事例1】不貞行為をしていた夫との離婚調停

不貞行為をしていた夫との離婚調停に関する事案です。
争点は、慰謝料額でした。

1:相談内容

相談者:女性(30代)  
家族構成:相談者、夫、子供2人(7歳、0歳)

相談内容の概要は、「夫が女性と不貞関係を続けており、夫に対して、離婚・親権・慰謝料・養育費を求めたい。ただし、不貞行為について、夫は口頭で認めていたものの、その他に不貞行為の客観的な証拠はない。」というものでした。

2:解決までの道のり

この事件での争点は、「慰謝料額」でした。
まず、相談をお聞きしたのち、早々に、家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。申立の内容は、①離婚すること、②親権者を母親とすること、③慰謝料300万円、④相当額の養育費の請求などです。

これに対し、相手方(夫)の対応は、「離婚する、親権も譲る、養育費も相当額を支払う。ただし、慰謝料は100万円しか支払わない。」というものでした。これにより、争点は、「慰謝料額」をいくらにするのかという点に絞られました。

この争点に関し、相談者(依頼者)と、“慰謝料額としてどの程度まで譲歩できるか・譲れないラインはどこか”、“不貞行為の証拠はどこまで揃っているか”を入念に打ち合わせました。

依頼者によれば、「慰謝料は、250万円以下になるのは納得できない。」とのことでしたので、その金額を、“これ以上は譲れないライン”として設定しました。次に、不貞の証拠を改めて吟味したところ、不貞行為をうかがわせるメール・LINEのやりとりは存在したものの、やはり決定的なものではありませんでした。

そのため、こちらの方針としては、「不貞の証拠は調停では提出せず(※)、裁判になったら提出する」、「慰謝料は250万円まで譲歩する。ただし、もし調停が成立せずに裁判になれば、夫に加えて、不貞相手の女性も被告として訴訟提起する」と固く決意して、離婚調停をすすめました。

(※ 基本的には、不貞に関連する証拠があれば、それを調停でも提出するのが一般的だと思いますが、今回は「不貞の証拠として決定力に欠けるものしか持っていないのではないか?」と夫に思われることを避けたい、こちらに主導権があるように見せたい、と考えました。)

上記のようなこちらの方針に対し、相手方は「慰謝料は100万円ではなく、200万円支払う」との意向に変わりました。しかし、こちらは予め、譲れないラインとして「慰謝料250万円」と相当な覚悟をもって依頼者が決めていましたので、250万円以下に譲ることは一切しませんでした。

その結果、5、6回の調停期日を経たところ、調停不成立になると思われたところまで進みましたが、最終的には相手方が譲歩して、こちらの主張通りに慰謝料250万円を支払う等の内容で、無事に調停離婚が成立しました。

3:解決のポイント

この事件は、証拠関係に少し自信がない部分があったものの、他方、打合せの中で、『依頼者の方が相当の覚悟をもって“譲れないライン(慰謝料額)”を決めて下さり、それに基づいて強気に条件提示できたところ』が解決のポイントだったと思います。

裁判になっていれば、不貞行為の証拠が弱かったため、もしかすると、判決で不貞行為の事実が認定されなかったかもしれない事案でした。しかし、最終的には、おそらく、“強気の条件提示”と“証拠提出の温存”が功を奏したため、依頼者の方に満足頂ける内容で解決(調停離婚)することができました。

お困りの方へ

離婚問題で何か困った際は、当法律事務所にご相談ください。
初回無料相談を行っています。
問い合わせはこちらのページです。

この記事をシェアする