田中・大村法律事務所

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2016.9.14.

【交通事故解決事例1】直進車の接触事故(姫路市安富町)

交通事故事案の解決事例を紹介します。

事案内容

駐車場から出る車と直進車の接触事故 (争点:過失割合)

交通事故が起こった場所

姫路市安富町

事案の概要

依頼者(Aさん)が、駐車場から車道に出ようとしたとき、車道を直進していた相手方(Bさん)が運転する自動車と接触。この事故では、過失割合が問題になりました。

当初Bさんの保険会社からは、過失割合は「A:B=80:20」との主張がなされていましたが、最終的には「A:B=60:40」で、Aさんの過失割合が20%減少して、示談が成立しました。

1.事故・被害の状況

依頼者であるAさんは、店舗の駐車場から国道(片側1車線)へ右折して走行するため、駐車場の出入口で停止して、出るタイミングを見計らっていました。Aさんからみて右方から走行してきた自動車(C車)が、Aさんが停止している駐車場出入口から進入するために、左折の合図とともに速度を落としてきました。

このタイミングで、Aさんは店舗の駐車場から右折して国道に進入しようとしたところ、C車の後続車であるB車(Bさんが運転する車)と衝突しました。幸いにもAさん、Bさんともにケガはなく、双方の被害は物損(自動車の修理代)だけでした。

2.解決までの道のり

この事案では「過失割合」が争点となりました。

当初、相手方の保険会社は、過失割合「A:B=80:20」を主張してきました。
Aさんは、その主張には納得がいきませんでした。なぜなら、“C車のすぐ後ろを走行していたB車は、駐車場に進入しようと速度を落としていたC車を、反対車線にはみ出してまで追い越した”という認識だったからです。

Aさんは、“確かに自分も不注意だったと思うけど、Bさんの過失の割合はもう少しあるのではないか”と考えて、事務所に相談に来られました。

しかし、Bさんは「反対車線にはみ出していない」と主張しました。事故状況についての、Aさん・Bさんの言い分が食い違いました。当然、Bさんの保険会社は、Bさんがそう主張する以上、過失割合を変えるつもりはありませんでした。

そこで、当事務所では、事故の状況を把握すべく、警察官が作成した物件事故報告書(事故の状況が簡潔に記載された書面)を取り寄せました。しかし、そこには簡素な内容の記載しかなく、事故の詳細はわかりませんでした。

ここで、弁護士が実際に事故現場に赴きました。そこで、道路の幅や駐車場の出入口の幅などを綿密に測定して、道路の状況を詳しく調査しました。その調査結果に基づいて、「事故現場見取図」を弁護士自ら作成しました。事故に遭った自動車の車幅と、損傷部位を考慮し、実際の事故の様子をシミュレーションで再現したのです。

その再現の結果、「Bさんが黄色の中央線をはみ出して、C車を追い越す際に反対車線にはみ出していたこと」が明らかになりました。そのため、Aさんの「B車は、駐車場に進入しようと速度を落としていたC車を、反対車線にはみ出してまで追い越そうとした」という主張が通りました。

相手方保険会社に対して、上記見取図と再現結果を提示して、今回の事故の過失割合はA:B=60:40であると主張したところ、相手方保険会社はそれを受け入れ、この過失割合をもとに示談が成立しました。

3.解決のポイント

この事案では、弁護士が事故現場に足を運んで細かく測定を行った上で、事故現場見取図を作成し、自動車の損傷部位をもとに、実際の事故態様をシミュレーションをしたことがポイントでした。

交通事故において、当事者間で事故状況に関する主張が食い違うケースはよく見られます。特に、目撃者がいない、実況見分調書が作られなかったという理由により客観的な証拠が少なく、どちらの主張が正しいのか明らかではないことはよくあることです。

そのような場合でも、事故現場に実際に赴き綿密に検証を行えば、今まで気づかなかった新しい事実が判明することがあります。その結果、相手側も自分の非を認めざるを得ず、過失割合が修正されて、早期の事件解決に繋がることがあります。

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